施工業者が教える!部分的に行う大規模修繕のポイントとは?
A.部分的な大規模修繕では「どこを直すか」よりも「どこまで直すか」の見極めが重要です。目先の費用だけを抑えるのではなく、将来的な総修繕費まで考えて部分修繕の範囲を決めることがポイントです。
こんにちは!株式会社サニー建設商事の江川です。
「大規模修繕を実施したいけれど、建物全体ではなく部分的な工事でも問題ないのだろうか」と悩んでいる大家さんも多いのではないでしょうか。
築20年を超えたアパートやマンションでは、外壁や屋上防水など劣化の進行状況に差が生じる場合があります。そのため、必要な箇所だけを優先して修繕する方法を選択する大家さんも増えています。
この記事では、大規模修繕を部分的に行う場合の定義や考え方、大規模修繕工事との違い、部分修繕を検討するタイミング、中規模修繕や改修工事との違いについて詳しく紹介します。
この記事を読むと、部分的な大規模修繕が適しているケースや判断基準、失敗しないためのポイントが分かります。
この記事は、アパート・マンションの経営でお困りの大家さんに読んでいただきたいです。
戸建て住宅の外壁塗装、屋根塗装を検討中の方はぜひ最後まで読んでみてください!
1.大規模修繕 部分とは?定義と大規模修繕工事・改修の違い
大規模修繕 部分とは、建物全体を一度に工事する方法ではなく、劣化した箇所だけを優先して補修する方法です。
賃貸アパートやマンションでは、外壁、屋上防水、シーリング、鉄部塗装などの劣化状況が異なります。
建物全体を工事する場合は数百万円から数千万円の費用が必要です。
1-1 「部分」と「全体(大規模修繕)」の定義と法的位置づけ
部分修繕とは、建物の一部分だけを対象に行う工事です。
具体例として、次のような工事があります。
- 外壁のひび割れ補修
- シーリングの打ち替え
- 屋上防水工事
- 階段や手すりの塗装
- 共用廊下の防水工事
全体の大規模修繕とは、建物全体を対象に行う工事です。
国土交通省では、大規模修繕工事を「主要構造部の過半を修繕する工事」と定めています。
アパートやマンションでは、12年から15年周期で全体の大規模修繕を実施するケースが一般的です。
部分修繕は、建物全体の劣化が進んでいない場合や、修繕積立金を計画的に使用したい場合に有効です。
1-2 部分修繕を検討するタイミング
部分的な大規模修繕を検討するタイミングは、建物の劣化症状によって異なります。
外壁塗装の目安は10年から15年です。
屋上防水工事の目安は12年から15年です。
シーリング工事の目安は10年前後です。
鉄部塗装の目安は5年から7年です。
次の症状が発生した場合は、早めの点検がおすすめです。
- 外壁のひび割れ
- チョーキング現象
- 雨漏り
- 防水層の膨れ
- シーリングの割れ
- 鉄部のサビ
築20年を超えたアパートやマンションでは、複数の劣化症状が同時に発生する場合があります。
施工業者による建物診断を受けることで、優先順位を決めながら部分的な修繕を進めることができます。
1-3 中規模・小規模との違い、改修との使い分けと判断基準
中規模修繕は、複数の箇所をまとめて修繕する工事です。
小規模修繕は、部分的な補修や応急処置を指します。
改修工事は、建物の性能や機能を向上させる工事です。
例えば、次のような工事は改修工事に分類されます。
- オートロックの設置
- 宅配ボックスの設置
- LED照明への交換
- バリアフリー化
判断基準の目安は以下の通りです。
| 工事内容 | 目的 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 部分修繕 | 劣化部分の補修 | 20万円~300万円 |
| 小規模修繕 | 応急処置 | 5万円~50万円 |
| 中規模修繕 | 複数箇所の修繕 | 300万円~1,000万円 |
| 大規模修繕 | 建物全体の保全 | 1,000万円以上 |
| 改修工事 | 機能向上 | 内容によって異なる |
築20年を超えた賃貸アパートやマンションでは、建物診断を行ったうえで最適な工事方法を選択することが重要です。
▼合わせて読みたい▼
2.部分修繕の流れと工程
大規模修繕を部分的に行う場合は、正しい手順で工事を進めることが大切です。
大規模修繕 部分では、建物の状態を調査したうえで修繕が必要な箇所を見極め、優先順位を決めながら計画を立てていきます。
建物全体を一度に工事する場合と比べると、大規模修繕 部分は費用負担を抑えやすい点が特徴です。しかし、十分な調査を行わずに工事を進めると、数年後に再び修繕が必要になる可能性があります。
2-1 調査・診断の進め方(目視・打診・コンクリート・鉄筋の確認)
大規模修繕 部分では、最初に建物の状態を詳しく調査します。
施工業者は、目視調査によって外壁のひび割れや塗膜の剥がれを確認します。外壁のひび割れが0.3mm以上になると、雨水が建物内部に入り込み、建物の劣化を早める原因になります。
施工業者は、打診調査によってタイルやモルタルの浮きも確認します。専用の工具で外壁を軽く叩き、音の違いから異常の有無を判断します。異常な音が確認された場合は、外壁材が浮いている可能性があります。
施工業者は、コンクリートの状態も確認します。コンクリートの中性化が進行すると、内部の鉄筋が錆びやすくなります。鉄筋の錆びが進行すると、コンクリートが膨らんで割れる爆裂が発生することがあります。
築20年以上のアパートやマンションでは、外壁の劣化だけではなく、防水層の劣化や鉄部のサビが同時に進行しているケースも少なくありません。
大規模修繕 部分では、建物全体の状態を把握したうえで、どの工事を優先するべきかを判断することが大切です。
2-2 設計・仕様決定と監理体制の整備(管理組合・専門家の役割)
建物の調査が終わった後は、調査結果をもとに工事内容を決定します。
大規模修繕 部分では、劣化の状況や予算に合わせて工事の範囲を決めます。雨漏りが発生している場合は、屋上防水工事を優先するケースが多くあります。外壁の劣化が目立つ場合は、外壁塗装やシーリング工事を優先することもあります。
使用する材料の選定も重要です。シリコン塗料の耐用年数は約10年から13年です。フッ素塗料の耐用年数は約15年から20年といわれています。
防水工事では、ウレタン防水やシート防水など、建物の状態に合わせた工法を選択します。
工事の品質を維持するためには、現場を管理する体制も欠かせません。施工管理担当者が定期的に現場を確認することで、施工不良の防止につながります。
大規模修繕 部分では、費用だけで判断するのではなく、耐久性や将来のメンテナンス計画も考慮しながら工事内容を決めることが大切です。
2-3 仮設工事(足場・養生)と工事中の安全対策・生活配慮
工事を始める前には、足場の設置や養生作業を行います。
足場は、安全に作業を行うために欠かせない設備です。飛散防止ネットを設置することで、塗料やほこりが周囲に飛び散ることを防ぐことができます。
養生作業では、窓や共用部分、駐車場の車などを保護します。丁寧な養生を行うことで、工事中のトラブルを防ぐことができます。
施工業者は、作業員の安全対策を徹底しながら工事を進めます。また、入居者や近隣住民への配慮も重要です。
工事前には、工事内容や工事期間について事前に説明を行います。部分的な外壁補修であれば、工事期間は1週間から2週間程度です。屋上防水工事を含む場合は、2週間から1か月程度かかることもあります。
工事車両の出入りや騒音が発生する時間帯についても、あらかじめ周知しておくことで、近隣とのトラブルを防ぎやすくなります。
大規模修繕 部分では、安全対策と入居者への配慮が建物の価値を維持することにつながります。
施工業者と十分に打ち合わせを行いながら工事を進めることで、安心して修繕を進めることができます。
3.住民対応と修繕トラブル予防
大規模修繕を部分的に行う場合は、工事の品質だけではなく、入居者や近隣住民への対応も重要です。
大規模修繕 部分では、工事範囲が限定されるため、短期間で工事が終わるケースが多くあります。しかし、事前の説明が不足すると、騒音や通行制限などをきっかけにトラブルへ発展する場合があります。
3-1 工事前の説明会・合意形成と委員会の進め方(住民参加のポイント)
大規模修繕を部分的に行う場合は、工事前の説明を丁寧に行うことが大切です。
アパートやマンションでは、工事内容や工事期間を事前に周知することで、入居者や区分所有者の理解を得やすくなります。工事の目的や工事期間、作業時間、足場の設置場所などを具体的に説明しておくことで、住民の不安を軽減することができます。
マンションでは、管理組合や修繕委員会が中心となって工事を進めるケースも少なくありません。管理組合や修繕委員会が施工業者と定期的に打ち合わせを行うことで、工事内容やスケジュールを共有しやすくなります。
また、住民から寄せられた意見や要望を取り入れながら工事を進めることで、工事中のトラブルを防ぎやすくなります。
大規模修繕 部分を成功させるためには、工事の品質だけではなく、工事前の合意形成も重要なポイントです。
3-2 工事中の生活対策(騒音・通行・駐車・安全確保)と管理会社の役割
大規模修繕 部分では、工事中の生活環境への配慮も欠かせません。
外壁補修や防水工事では、高圧洗浄機や電動工具を使用するため、騒音が発生することがあります。また、工事車両の出入りによって、駐車場や共用部分の利用に影響が出る場合もあります。
施工業者は、工事開始前に作業時間や工事内容を入居者へ伝えることが重要です。一般的な作業時間は午前8時30分から午後5時頃までとなるため、事前に知らせておくことで住民の理解を得やすくなります。
工事期間中は、足場の設置や資材の搬入によって通路が狭くなることがあります。そのため、施工業者はカラーコーンや案内表示を設置し、安全対策を徹底します。小さな子どもや高齢者が安心して通行できる環境を整えることも重要です。
管理会社は、入居者からの問い合わせや要望を受け付ける窓口としての役割を担います。施工業者と管理会社が情報を共有することで、問題が発生した場合でも迅速な対応が可能になります。
工事中の生活環境に配慮することは、入居者満足度の向上にもつながります。
3-3 修繕トラブル発生時の相談先と解決フロー
大規模修繕 部分では、十分な準備を行っていてもトラブルが発生する場合があります。
工事中には、騒音や振動に関する苦情が寄せられることがあります。また、工事車両の出入りによって駐車場の利用に支障が生じるケースもあります。
トラブルが発生した場合は、まず施工業者へ連絡することが大切です。施工業者が現場の状況を確認し、必要に応じて改善策を検討します。
入居者との調整が必要な場合は、管理会社が仲介役となって対応します。マンションでは、管理組合や修繕委員会が協議を行い、解決方法を検討することもあります。
話し合いだけでは解決が難しい場合は、建築士やマンション管理士などの専門家へ相談する方法もあります。問題が発生した段階で早めに情報を共有することで、大きなトラブルへ発展するリスクを減らすことができます。
大規模修繕 部分を成功させるためには、施工技術だけではなく、入居者や管理会社との連携も重要です。工事前から工事完了まで丁寧な対応を心がけることで、安心して修繕工事を進めることができます。
■よくある質問(Q&A)
Q. 大規模修繕は部分的に行っても問題ありませんか?
A. 大規模修繕は、建物の状態に合わせて部分的に行うことも可能です。
例えば、外壁の劣化は少ないものの、屋上防水の劣化や雨漏りが発生している場合は、防水工事だけを先に行うケースがあります。また、シーリングのひび割れや鉄部のサビなど、劣化が進んでいる箇所を優先して修繕することで、建物全体の劣化を防ぐことができます。
まとめ
大規模修繕を部分的に行うことで、建物の状態に合わせた効率的なメンテナンスが可能になります。
大規模修繕 部分では、劣化が進んでいる箇所を優先して工事できるため、費用負担を抑えながら建物の寿命を延ばすことができます。
しかし、部分的な修繕を成功させるためには、事前の建物診断や適切な修繕計画が欠かせません。また、工事中の安全対策や入居者への配慮を行うことで、トラブルを防ぎながら安心して工事を進めることができます。
築20年以上のアパートやマンションでは、外壁や屋上防水、シーリングなど、劣化状況に応じて必要な工事を見極めることが重要です。
「建物全体を工事するべきか」「部分的な修繕で対応できるのか」と悩んでいる大家さんは、一度施工業者による建物診断を受けてみることをおすすめします。
株式会社サニー建設商事では、佐賀でお客様にピッタリのプランを提案しています。










